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会長挨拶

この度2021年12月11日(土)、12日(日)に京都大学 百周年時計台記念館において開催される第7回日本筋学会学術集会を担当させていただくことになりました。日本筋学会は「わが国における骨格筋生物学研究に関する統一的な組織を構築し、次世代の研究者を積極的に支援する場を設立すること」を目的として、2015年に設立されました。第6回学術集会は名古屋大学医学系研究科の大野鉄司会長のもと行われました。コロナウイルス感染拡大防止の措置として、オンライン開催で2020年12月18日(金)、19日(土)、20日(日)に行われましたが、現地開催であった前年度を上回る約350名の参加者がありました。

これまで筋研究領域においては、筋小胞体とトロポニン複合体による筋収縮のメカニズムを解明した故江橋節郎博士の研究をはじめとして、多くの優れた基礎研究の成果がわが国から発信されてきました。またDuchenne型筋ジストロフィーの原因分子としてジストロフィンが発見されて以来、筋ジストロフィー研究がわが国においても本研究領域を牽引する中心的な力となってきました。しかし近年世界的に社会の高齢化が大きな問題となり、高齢者における筋減少症であるサルコペニアやフレイル、そして運動器機能障害であるロコモティブシンドロームなど新たな疾患概念の登場とともに、筋研究領域も大きな広がりをみせています。これらの疾患は要介護の主要な原因となり、高齢者の生命予後やADLを低下させるため、その対策が急務であると考えられていますが、これら疾患対策のために筋研究が大きな役割を担うことが期待されているのです。

本学会のテーマは「今日は治らぬ病を明日は治せるように!」といたしました。このテーマには、基礎生物学研究、病態分子機構研究を基礎とした新規治療法開発・医薬品開発、さらにそれらを必要としている臨床現場までを結び付けたいという期待が込められています。近年筋研究に関する関心が多くの領域で高まりつつあるにも関わらず、その研究は部分的な興味に集中し、分野間のコミュニケーションが不足しているのが現状です。本大会が、基礎研究者、内科学、整形外科学、リハビリテーション医学などの異なる領域の交流の場になるのみならず、筋疾患研究、筋細胞生物学、筋分子生理学、運動生理学、筋代謝、心筋分野、平滑筋分野というような筋領域内での分野間の繋がりをより強化し、筋研究が発展することを期待しております。

京都大学 大学院医学研究科 形態形成機構学 教授
萩原 正敏